飲食店を13年続けてわかった「やめてよかったこと」

13年の経験談

はじめに

飲食店経営の情報は「やるべきこと」ばかりです。集客しろ、SNSをやれ、メニューを増やせ——やることは無限に出てきます。

でも13年続けてきてわかったのは、やめることも同じくらい重要だということです。

無駄なことをやめることで、本当に大切なことに時間とエネルギーを使えるようになります。私が実際にやめてよかったことをお伝えします。


① ランチ営業をやめた

開業当初はランチもやっていました。でも数年でやめました。理由は明確です。

拘束時間が長すぎる割に、利益が出ない。

ランチは客単価が低く、利益が薄いです。さらにランチに来るお客さんは車での来店が多く、駐車場の確保も必要になります。夜営業と合わせると、朝から深夜まで働き続けることになります。

ランチをやめたことで、空いた時間に多くのことができるようになりました。販促の準備、新メニューの試作、店の掃除——店のためになることが山ほどできます。

そして年齢を重ねると体のガタが出てきます。歯医者・整骨院・ジム——こういった自分のメンテナンスにも時間を使えるようになりました。いつまでも健康に働き続けるための投資だと考えています。利益の薄い時間帯の営業をやめることは、長く続けるための賢い判断です。


② 売れないメニューをやめた

何年か営業していると、特定の常連さんしか注文しないメニューが出てきます。

そのメニューのためだけに食材を仕入れると、ロスが発生します。仕込みにも余計な時間がかかります。思い切ってメニューから削除することも、経営判断として必要です。

ここで不安になるのが「そのメニュー目当てのお客さんが来なくなるのでは」という気持ちです。

でも私はこう考えています。そのメニューがなくなったことで来なくなるお客さんは、仕方なく諦める。なくなっても来てくれるお客さんが、本当のお客さんです。

メニューを絞ることで仕込みが効率化され、残ったメニューの質が上がります。結果的にお客さんの満足度が高くなります。


③ 意味のない集まりに行くのをやめた

地域の集まりや同業者との飲み会は、参加することで人脈が広がる場合もあります。しかし中にはただの愚痴会になっていることも少なくありません。

自分のためにならない集まりには行かない方がいいです。その時間を他店の視察に使う方が、よほど自分のためになります。新しい料理のアイデア、接客のヒント、価格設定の参考——実際に店に行くことで得られる情報は、愚痴を聞いて過ごした時間とは比べものになりません。

時間は有限です。何に使うかを意識することが大切です。


④ 営業電話に付き合うのをやめた

飲食店を開業すると、どこで調べるのか営業電話が頻繁にかかってきます。

電力会社の変更、Googleマップのサポート、ホームページ作成——こういった営業電話は全部断ります。

必要だと感じたときは、自分で調べるか商工会に相談します。向こうから売り込んでくるサービスにお金を払うと、たいてい割高で不要なものを買わされます。

自分から動いて情報を取りにいく習慣をつけることで、無駄なお金を使わずに済みます。営業電話に時間を割くのも、お金を払うのも、どちらももったいないと心得てください。


まとめ

やめることは、諦めることではありません。本当に大切なことに集中するための選択です。

ランチ営業をやめ、売れないメニューをやめ、意味のない集まりをやめ、営業電話を断る——これらをやめることで生まれた時間と余裕が、13年続けてこられた理由の一つだと感じています。

何かをやめることへの罪悪感は自然なことです。でも続けることが目的ではなく、良い店を長く続けることが目的です。その視点で見ると、やめる判断は前向きな経営判断になります。

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