はじめに
新メニューの開発は、飲食店経営の楽しい部分でもあり、難しい部分でもあります。作りすぎれば仕入れが増えてロスになる。出なければメニューが増えるだけ。かといって何もしなければ飽きられる。
私は京都で鉄板焼きの16席の店を13年やっています。試行錯誤の末にたどり着いた、新メニュー開発の考え方と進め方をお伝えします。
① アイデアをどこから得るか
新メニューのアイデアを考えるとき、私が最初に意識するのは今使っている食材でできるものを考えることです。
新しいメニューのために新しい食材を仕入れると、仕入れの種類が増えてロスのリスクが上がります。すでに仕入れている食材の組み合わせや調理法を変えるだけで、新鮮なメニューは作れます。余計なコストをかけずに新メニューを生み出す、これが基本の考え方です。
アイデアの源として一番効果的なのが休日に飲みに行くことです。他の店で「これいいな」と思った料理を自分の店でアレンジして取り入れる。プライベートの外食が仕事のインプットになります。楽しみながらアイデアを集められる、個人店ならではの特権です。
もう一つ活用しているのが料理系のSNS(InstagramやTikTok)です。トレンドの料理や見栄えのいい盛り付けのヒントが豊富にあります。「これ鉄板でできるかも」というアイデアが意外と見つかります。
② 試作の進め方
アイデアが固まったら、まずまかないで作ってみます。
本番の食材を使ってざっくり作り、自分で食べて確認する。味・食感・見た目のバランスを見ながら微調整していきます。完璧を目指さず、まず作ってみることが大切です。
ある程度形になったら写真を撮ります。 写真はメニューのポップやLINE配信に使うので、できるだけ美味しそうに撮ることを意識します。スマホで十分ですが、自然光で撮るときれいに撮れます。
③ お客さんへの出し方と反応の見方
新メニューができたら、すぐグランドメニューには加えません。まず「本日のおすすめ」や「裏メニュー」として別紙で出します。
この段階では写真入りのポップを作って店内に掲示します。写真があるとお客さんの目に留まりやすく、注文のきっかけになります。
反応の確認は出数でチェックします。 何人中何人が注文したか。これが正直な評価です。
常連さんに感想を聞くこともありますが、正直なところだいたい「美味しい」しか言ってもらえません(笑)。 常連さんは気を遣ってくれるので、本音はなかなか聞けません。数字で判断する方が確実です。
④ グランドメニューに加えるかどうかの判断
出数を見て判断します。
出ないメニューはすぐ削除します。 未練を持たずにやめることが大切です。出ないメニューをいつまでも置いておくと、仕込みの手間だけかかり続けます。
逆に好調なメニューは、グランドメニューの変更タイミングで正式に追加します。 最初から正式メニューにしないのは、失敗したときの撤退をスムーズにするためです。「おすすめメニュー」として出している段階なら、なくなっても自然です。
グランドメニューに載せると、それを目当てに来るお客さんが出てきます。そうなって初めて正式採用です。



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