飲食店の回転率と客単価、どちらを上げるべきか|13年の実体験から

店舗運営

はじめに

飲食店の売上を上げる方法は大きく2つあります。回転率を上げるか、客単価を上げるか。

どちらが正解かは、店の規模・業態・立地によって違います。ただし小さな飲食店においては、どちらを選ぶかで経営のスタイルが根本から変わります。

私は京都で鉄板焼きの16席の店を13年やっています。回転率と客単価、両方を試した経験から、正直にお伝えします。


① 回転率を上げようとして気づいたこと

回転率を上げる方法として「滞在時間に制限を設ける」という作戦があります。2時間制、90分制——飲食店でよく見られる仕組みです。

私も試したことがあります。しかし気づいたのは、たくさん注文してくれるお客さんを帰してしまうパターンが発生することです。

「もう一杯飲もうか」「追加でもう一品頼もうか」というタイミングで時間制限がかかる。お客さんも遠慮して追加注文をしなくなります。回転率を上げようとして、注文数を逃していたのです。

私には回転率より注文数を上げる作戦の方が向いていました。 ただしこれには接客力が必要です。お客さんが「もう一品食べたい」「もう一杯飲みたい」と思えるような接客ができて初めて成立する作戦です。


② 客単価を上げるために工夫したこと

客単価を上げるために取り組んだのが、高単価商品の投入です。

フィレステーキ、いくらたっぷりのだし巻き、少し高めのボトルワインやウイスキー——こういった「ちょっと贅沢な一品」をメニューに加えました。

全員が注文するわけではありません。でも全く出ないわけでもありません。数人に一人が注文してくれるだけで、客単価は確実に上がります。

もう一つ効果があったのが、人気商品ランキングの活用です。「人気料理ランキングベスト10」のようにメニューを見せると、お客さんは自然とランキング上位を注文したくなります。高すぎず安すぎない価格帯の商品を人気商品として位置づけておくことで、注文率が上がり、客単価の上昇につながります。


③ 私の店は客単価重視

私の店は回転率より客単価を重視しています。 滞在時間の制限は設けていません。

ゆっくり飲んで食べてくれるお客さんを大切にする。それが私の店のスタイルです。

16席という小さな店で回転率を追いかけると、慌ただしい雰囲気になります。鉄板焼きの店で「早く食べて早く帰ってください」という空気を作ってしまうのは、店のコンセプトとも合いません。


④ 小さな店ならではの考え方

正直に言います。「安いお客さん」を少しずつ減らしていくことが、小さな店の経営を安定させる近道です。

言葉は悪いかもしれませんが、これが現実です。

しっかり飲んで食べてくれるお客さんを大切に接客する。そういうお客さんが常連になってくれると、来店頻度も上がり、客単価も安定します。自分が目指す客層の常連さんが増えれば、自然と店の雰囲気も変わっていきます。

日頃の接客が積み重なって、客層は少しずつ変わっていきます。焦らず、理想の客層に向けて接客し続けることが大切です。


まとめ

回転率と客単価、どちらを上げるべきかは店のスタイルによって答えが違います。

小さな鉄板焼き店の私の答えは、客単価重視です。高単価商品の投入、人気ランキングの活用、そして何より接客力でお客さんの滞在時間を価値あるものにする。

回転率を追いかけるより、一人ひとりのお客さんにしっかり飲んで食べてもらう方が、長期的に見て店の売上も雰囲気も良くなります。小さな店だからこそできる、丁寧な接客が最大の武器です。

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