はじめに
「今月は良かったのに、来月はガタ落ち」——小さな飲食店を経営していると、こんな経験を繰り返します。
売上が安定しない理由は一つではありません。曜日・季節の波、常連客の離脱、競合店の出現、自分の体調。これらが重なったとき、経営は一気に苦しくなります。
私は京都で鉄板焼きの16席の店を13年やっています。売上が安定しない理由と、その対策として実際に効果があったことをお伝えします。
① 曜日・季節・天気の波
売上のムラで一番大きいのが、曜日による差です。
私の店は金曜・土曜は安定していますが、それ以外の曜日は本当にバラバラです。お酒を提供する店なので徒歩での来店客が大半を占めます。そのため雨の日は客数が極端に少なくなります。
当日の飛び込み客を期待できない以上、鍵になるのは前日までの予約をいかに入れてもらうかです。
LINEで「明日空いてます」と配信するより、常連客との関係を日頃から深めておく方が予約につながります。「今週末どうですか」と自然に声をかけてもらえる関係が、売上の安定に直結します。
② 常連客が来なくなる
引っ越し・結婚・ライフスタイルの変化——常連客が離れる理由はさまざまです。でも一番多い理由は、店のことを忘れられてしまうことです。
人は意外とあっさり忘れます。2〜3ヶ月来店がないと、存在自体が記憶から薄れていきます。
だからこそ毎週のLINE配信が重要です。メニュー紹介だけでなく、定休日に行った店や食べたものを画像つきで届ける。「そういえばあの店、最近行ってないな」と思い出させるきっかけを作り続けることが大切です。
私がやっているもう一つの工夫は、年末にカレンダーをプレゼントすることです。月替わりのクーポン券を各ページに付けておくと、毎月めくるたびに店のことを思い出してもらえます。部屋のどこかに飾ってもらえれば、365日忘れられない存在になれます。
③ 近隣に競合店ができる
よくある話です。新しい店ができれば、一度行ってみたくなるのが人の心理です。常連さんから「あの店行ってきました」と報告を受けることもよくあります。
このときに絶対にやってはいけないことがあります。競合店の悪口や批判を口にすることです。
ネガティブな話はどんな内容であっても、お客さんとはしないよう心がけています。競合店の話になったとき、私は「そうなんですね、どうでしたか?」と聞くだけです。
お客さんが店に滞在している時間を、明るく楽しい時間にすること。それが再来店につながる一番の近道です。競合店に勝つのは、サービスや料理の質であって、言葉ではありません。
④ 自分の体調・営業日数の問題
個人店の現実として、自分がいないと売上はゼロです。
日々の体調管理は当然として、人間なので風邪もひくし、身内の冠婚葬祭もあります。定休日以外に休むことは悪いことではありません。むしろそれが個人店の特権でもあります。
大切なのは、休む場合はきちんと告知することです。来店しようと思っていたお客さんが、閉まっているのを見て帰るのは一番もったいない。LINEやSNSで事前に周知するだけで、そのお客さんは別の日に来てくれます。
まとめ
売上が安定しない理由は、外部要因と内部要因が混在しています。天気や競合店は自分ではコントロールできませんが、予約の取り方・常連客との関係・告知の徹底は、今日からでも変えられます。
「なぜ今月は売上が落ちたのか」を毎月振り返る習慣をつけることが、安定経営への第一歩です。



コメント