飲食店の仕入れ業者の選び方と付き合い方|13年で学んだ現場のコツ

仕入れ・原価管理

はじめに

仕入れ業者との関係は、飲食店経営の土台です。良い業者と良い関係を築けるかどうかで、食材の質・価格・安定供給が全て変わってきます。

私は京都で鉄板焼きの16席の店を13年やっています。開業から今まで、仕入れ業者との付き合い方で学んできたことをお伝えします。


① 業者の選び方

新規で業者を探す場合、一番確実なのは知り合いの店を通じて紹介してもらうことです。飲食店同士のつながりで紹介された業者は、すでに信頼の実績があります。一から探すより格段に安心です。

私の場合は、以前勤めていた職場の取引業者からそのまま仕入れを続けています。大手企業での勤務経験があったため、業者側もその価格水準で卸してくれました。人脈は開業後も財産になります。

業者を選ぶときに価格と同じくらい重要なのが、納品の頻度と対応の柔軟性です。毎日納品してくれるのか、週に何回なのか。急な追加注文に対応してくれるのか。価格が安くても納品が不安定な業者では、営業に支障が出ます。


② 価格交渉のリアル

正直に言います。個人店が業者に価格交渉しても、なかなか安くなりません。

大量に仕入れる大手チェーンとは交渉力が違います。それが現実です。

だからこそ大切なのが、価格を知ることです。同じ食材がネットでいくらで買えるか、近所のスーパーではいくらか。相場を把握しておくことで、業者の価格が適正かどうか判断できます。

必ず業者から仕入れなければいけないということはありません。少量で同じものが安く手に入るなら、スーパーやネット購入も選択肢の一つです。固定観念を捨てて、コストを柔軟に考えることが大切です。


③ こんな業者には注意

長く付き合う中で、気をつけた方がいい業者のパターンがあります。

すぐ値上げをしてくる業者、突然送料を請求してくる業者です。

食材価格の高騰は理解できます。ただし説明もなく頻繁に値上げをしてくる業者、最初は無料だった送料を急に請求してくる業者は、長期的な付き合いを考えると不安が残ります。

複数の業者を持っておくことで、一社に依存するリスクを減らせます。


④ 長く付き合うための一番大切なこと

業者との付き合いで、私が13年間ずっと続けていることがあります。

配達担当の人にも、営業担当の人にも、誰に対しても敬語で話すこと。

配達と営業は別の人が担当することが多いですが、どちらも同じように丁寧に接します。そして暑い日には「よかったらどうぞ」とガリガリ君を渡したりします。

笑い話のように聞こえるかもしれませんが、これが実際に効いています。

注文し忘れた食材を無理を言って持ってきてもらったこと、品薄の商品を優先的に回してもらったこと——こういった融通が利くのは、日頃の関係があってこそです。

業者との付き合いはビジネスである前に、人と人の関係です。相手を大切に扱う人のところには、自然と良いサービスが集まってきます。


まとめ

仕入れ業者の選び方は、紹介を活用して価格と納品頻度の両方で判断する。価格交渉は難しいので相場を知って柔軟に対応する。そして業者とは人として丁寧に長く付き合う。

13年続けてきた中で、仕入れで困ったときに助けてもらえたのは、日頃の関係があったからです。食材の安定供給は、良い料理を出し続けるための土台です。業者との関係を大切にすることが、結果的に店の品質を守ることにつながります。

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